2024年7月20-21日に、千里ライフサイエンスセンター(大阪)にて第45回日本歯内療法学会学術大会が行われ、シンポジウム1「これからの歯髄保護」のシンポジストとして登壇いたしました。内容は「歯髄保護の診療ガイドライン〜作成の経緯と保険診療との関係〜」と題して、診療ガイドライン委員会委員の立場から講演いたしました。
今回の歯髄保護の診療ガイドラインは日本歯科保存学会との協働によるもので、その構想は2017年より、実際の協働作業は2020年より開始し、コロナ禍も経て本年7月にリリースされました。本診療ガイドライン作成においては、GRADEシステムに基づいた信頼性の高い国際的アプローチを用いており、その意味で非常に価値あるものになっています。これにより、作成元の両学会は広く国民に対して信頼に足る学術団体であることを示すことができ、我々委員会メンバーの活動の4年間に及ぶ集大成として世に出すことができたことは大変喜ばしいことであります。
シンポジウムでは、その作成の経緯や保険診療との関係について、まずは歯内療法学会会員の皆様に解説をする機会となりました。合わせて、大島勇人先生(新潟大学硬組織形態学分野教授)が歯髄の生物学的特性のお話を、さらには辺見浩一先生(恵比寿ヘンミデンタルオフィス)が臨床の実際と課題についてのお話をされました。本シンポジウムは世界的な潮流でもある歯髄の生物学的側面に対する研究知見、診断に対する考察、歯髄保護に対するアプローチやプロトコルの模索に、日本も乗っていることを示すことのできた大変興味深いものとなり、本会場はもちろん、サテライト会場も満席であったと後から伺いました。
この度シンポジストとしてご指名くださいました、大会長の林美加子先生(大阪大学歯科保存学教授)、座長の松﨑英津子先生(福岡歯科大学歯科保存学分野教授)、澤田則宏先生(澤田デンタルオフィス)、誠にありがとうございました。また、今回のシンポジウムにご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。
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